す。
心から願うことは、もし幸いに愛とよぶにふさわしい心の状態で再婚が可能である方々は、どうぞ自分一人の解決ですべてが解決してしまったような気持になってしまわれないことです。ぬけるにぬけられない境遇をどこまでも背負い続けてゆかなければならない人々を忘れておしまいにならないようにという願いです。再び自分が夫とよぶことの出来る人を得るにつけても、自然な女の渇望と闘いながら、子供のために生きて行かなければならない人々の立場について、むしろ積極的に発言する一人として自分の女性としての連帯を忘れないでほしいと思います。
自分のかえり咲いた春のよろこびにつけてさえも、戦争の罪悪に対して強く闘う心持を新しくされるのが自然だと思います。[#地付き]〔一九四九年二月〕
底本:「宮本百合子全集 第十五巻」新日本出版社
1980(昭和55)年5月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十二巻」河出書房
1952(昭和27)年1月発行
初出:「婦人」
1949(昭和24)年2月号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年6月4日作成
青空文庫作成ファイル:
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