義者、共産主義者といわれて言論の自由をうばわれ牢屋にいれられていた人々です。本気で戦争に反対し、つまり私たちの婦人の幸福を守ろうとしてたたかったのが主として共産主義者であり、共産党であったということは、とくに女にとって忘れられないことだと思います。
今日戦争によって破壊された人民生活の安定の役割を引き受けた政府が、非常に努力して愛嬌よくしながら、なにより大切な戦争反対をした共産党に反共という共同の線を引こうとしていることは信じられないことです。もしそういうことをするならば、言わず語らずのうちにこの愛嬌よい内閣は本質において戦争というファシズムに対して反対しないという恐ろしいことになりますから、ポツダム宣言や連合国憲章が全く愚弄されたことになりますから、愛嬌のよい内閣は正直ということも社会に欠かされない人間の道義の基であることを理解するでしょう。[#地付き]〔一九四七年七月〕
底本:「宮本百合子全集 第十六巻」新日本出版社
1980(昭和55)年6月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十二巻」河出書房
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