の、最大の可能が導きだされなければなりません。
 生きることを心から愛する私たち日本の婦人、努力を惜しまず、平和と幸福との社会的な保証を熱望する私たち日本婦人は、率直にそれらの真情を吐露しながら、世界の歩みと倶に自分たちの実力を高め、希望を実現してゆく方法を学び、その忍耐づよさに最後の輝きを添える社会的な積極性を身につけようと願っております。
 婦人民主クラブは、そういう希望の婦人たちの集りとして創立されます。最初の発端は数人の間でまとめられたにしろこれは日本全国のすべての婦人たちのものです。日本全国のすべての婦人が、その苦痛の解決のために、希望の具体化のために、よろこばしい諸成果をともどもに愉しむために、生々と運営してゆくべき組織の一つです。確乎として、正しく明るく、そして温いこの社会の輿論の一つの源泉ともなりたいものです。婦人民主クラブは果しない未来をもって、幾千万の日本婦人の善意の海の上に船出いたします。



底本:「宮本百合子全集 第十五巻」新日本出版社
   1980(昭和55)年5月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
初出:「婦人民主クラブ趣意書」
   1945(昭和20)年12月
※B5判用紙に、婦人民主クラブの発起人25名の氏名と規約八条とともに、無署名で印刷されたもの。
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年6月4日作成
青空文庫作成ファイル:
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