足場に日本のブルジョア、地主はソヴェト同盟に侵略しようとし、同時にわれわれ働く大衆の力をくじこうとしている。われらは、それをはねかえし、帝国主義の戦争に反対し、ソヴェト同盟を守れ! 首キリ反対! 失業手当をよこせ! と叫んで、今年こそ、婦人、子供、出征兵士のおとっさん、お母さんまで一団となって、勤労大衆自身のメーデーをやらねばなりません。

 そのためには今からすぐ準備がいる。サークルでもこうした今年のメーデーの意義を話しあったり行列に加わるように相談が必要だ。そのために『文新』婦人読者はうんとのり出して働かねばならない。そしていよいよ当日となったらあなたがたの職場、村、町でどんな大衆の示威が行われ、人がどれだけ加わり、あなた自身はそれにどう参加したか? それらをすべての『文新』婦人読者は編輯局へ通信しなければならない。そしてそれをきっかけに婦人通信員になって下さい。通信員になった婦人はあんたも一つ書いて御覧と、これまで通信など書いたことのなかった婦人たちにも書くきっかけを与えるようにする。婦人通信員は自身が活溌に書くばかりでなく、いつも自分が中心になって一人でも多く工場、農村からの婦人通信員が出来るように努力しなければならない。そのために世界のプロレタリア、農民の男女が立って、戦争と飢とをあたえるブルジョアに向って示威する今年のメーデーこそ、とり逃してはならないよい折なのです。[#地付き]〔一九三二年四月〕



底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
   1979(昭和54)年7月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第九巻」河出書房
   1952(昭和27)年8月発行
初出:「文学新聞」
   1932(昭和7)年4月5日号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年5月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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