されるブルジョア文化組織網となっているのである。それぞれのブルジョア婦人雑誌の地方における読者会というものは、自主的に活動し、自分たちのよむブルジョア婦人雑誌を通じて煽動されるままに、女子青年団、愛国婦人会などと、結果においては全く等しい反動的小集団となる可能が十分認められる。すでにブルジョア婦人雑誌の恒常的読者の何割かは、特に地方においては、女子青年団、処女会その他のブルジョア反動団体内の組織成員なのである。ブルジョア反動文化の婦人大衆を目標とするアジ・プロは、配布網の点から見るだけでも、決してあなどり難い組織をもっていることは明である。
 数多いブルジョア婦人雑誌の内容を一々検討する規準として、(一)ブルジョア婦人雑誌は生産、労働をどう取扱っているか、(二)時事問題=特に恐慌失業、帝国主義侵略戦争をどう取扱っているか。(三)国際性はどう取扱われているか。(四)科学知識をブルジョア婦人雑誌はどう扱っているか。(五)両性、家族問題をブルジョア婦人雑誌はどう扱っているか。以上の五項目を規準として、順次検査を進めて行くのが便利であろうと思う。[#地付き]〔一九三二年三月〕
[#未完]



底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
   1979(昭和54)年7月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第九巻」河出書房
   1952(昭和27)年8月発行
初出:「プロレタリア文化」
   1932(昭和7)年3月号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年5月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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