であろう。アメリカにもイギリスにも婦人の通俗作家、探偵小説の作者はあんなにいて、それだけの文化と文学の土台から評論家として立っている婦人は恐らく十指に満つまい。
 文学においても、婦人の活動の最低の線がどこまで拡がり且つ上って来ているかということが問題であろう。文学における婦人の自然発生なありようがとりあげられるならば、それは男をこめて社会生活全面の照りかえしとして語られることだと思われる。[#地付き]〔一九四〇年四月〕



底本:「宮本百合子全集 第十一巻」新日本出版社
   1980(昭和55)年1月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
親本:「宮本百合子全集 第七巻」河出書房
   1951(昭和26)年7月発行
初出:「読売新聞」
   1940(昭和15)年4月9日号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年2月17日作成
青空文庫作成ファイル:
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