にジャーナリズムの大動脈が通っているのではあるまいか。
 ジャーナリズムは夥だしい功罪ともども読者を捕えてゆくのではあるが、そのためには読者の人間的社会的意欲の動向を敏活にとらえ反映して展開させなければジャーナリズムは実利上にも成立たない。ここに、現代ジャーナリズムに対する読者の声、要求の深い意義とその積極性への翹望があり、又、編輯部の文化人としての良心、良識を今日にあっても絶望せしめない或るものがあると信じられるのである。[#地付き]〔一九三七年十一月〕



底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
   1979(昭和54)年7月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第九巻」河出書房
   1952(昭和27)年8月発行
初出:「日本学芸新聞」
   1937(昭和12)年11月20日号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年5月26日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全2ページ中2ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング