ともにその部屋をふきぬけて、二人の体の上をわたった夏の朝の風の思い出で、サヨは泣けて来るのであった。
 今のよろこびに通じるまじりけのないよろこびの思い出のため、サヨは涙をおとした。



底本:「宮本百合子全集 第五巻」新日本出版社
   1979(昭和54)年12月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
親本:「宮本百合子全集 第五巻」河出書房
   1951(昭和26)年5月発行
初出:「日本評論」
   1940(昭和15)年11月号
入力:柴田卓治
校正:原田頌子
2002年4月22日作成
2003年7月20日修正
青空文庫作成ファイル:
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