中国に於ける二人のアメリカ婦人
――アグネス・スメドレーとパァル・バック――
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)愈々《いよいよ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)女[#「女」に傍点]であるために受けて行かなければならない
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アグネス・スメドレーの「女一人大地を行く」という自伝的な小説は一九二九年アメリカで出版されて以来、殆ど世界各国語に訳され、日本でも少なからず読まれた。
この間、窪川稲子さんに会ったら、或る若い勤労婦人のひとで、この小説を読んだ感想に、アグネスがどうしてああいう風に男を反撥してゆかなければならないのか、その点があの小説ではよくのみこめなかったと云ったという話が出た。特に書かれている限りでは立派な、理解の深い青年であると思われる男達とさえ、アグネスは次々と破局をもって別れている。それはどういうのだろうという疑問が出たということであった。
この言葉は私の興味をよびおこし、よほど前その一部分を読んだきりになっていた「女一人大地を行く」という小説を改めて最後まで読み終った。
これは非常に率直
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