た。その夜に、わたしたち日本の八千五百万の人口は、次の戦争に利用することができるといっている人のあることを知りました。

 尊敬する宋慶齢夫人。
 一九五〇年における日本のまじめな人民の関心事は、全面講和によって世界平和に協力することです。パール・バック女史は、日本人は食べるものと住むところさえあれば、あとはどうでもよいのだという意味の意見を発表されているそうですが、人民の精神は決してそれだけではありません。もしそうであるならば、どうしてこんにちの人民の共和国が中国にありえたでしょう。わたしたちは、くいぶちをよそから貰うことでその飼犬にされたいと思っていません。日本の軍事基地化に反対なのは、アジアとヨーロッパの平和がなければ、日本の人民の生活安定があり得ないからです。
 北京で開かれようとしているアジア婦人大会に、日本代表が出席できるかどうかにかかわらず、世界の平和のためには日本の婦人も彼女たち一人一人が闘っている生活の辛苦を参加章としていると思います。
 一九五〇年における中華人民共和国の発展を祝し、革命の母たるあなたの一そうの健康と活動とを切望いたします。[#地付き]〔一九五〇年二
前へ 次へ
全5ページ中4ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング