。ゾーヤも新しいソヴェトの娘であった。その物語りを書いたマルガリータも亦、新しいソヴェトの娘である。
封鎖されていた日本の窓は、東に向っても西に向っても、漸々《ようよう》開かれた。私たちは開かれた窓に向っている。そして、その窓に、もたらされてくるこれらのソヴェトの文学の収穫を待っている。私たちはその窓枠を飛び越えて、自分たちの生活の声をあげながら、世界の友だちに向って、子供のように熱心に駈けだしたいと思っている。
自由な、信頼にみちた、そして真面目な研究心に充実した、文化連絡の機関が確立されねばならない。アメリカの文化との交流、中国の文化の正しい再認識と評価。イギリスの、又フランスの、新しい生活力の開花して行く様子の反映。ソヴェトの文化の研究。これらすべては私たちの成長のために欠くことの出来ない栄養である。[#地付き]〔一九四六年五月〕
底本:「宮本百合子全集 第十三巻」新日本出版社
1979(昭和54)年11月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十一巻」河出書房
1952(昭和27)年5月発行
初出:「ソヴェト文化」創刊号
1946(昭和21)年5月
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年4月23日作成
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