自身が平和を希望していることをはっきり自覚しなければなりません。
世界に何千何万人の未亡人がいるか、孤児がいるか、戦災者がいるか、この人たちはみんな戦争を欲していません。
この社会を発展させようとしている世界の婦人は戦争を欲していない、彼女たちの涙がそれを教えました。
世界民主婦人連盟は八千万の婦人を平和のために組織しています。ファシストのイタリーで青年たちは驚く程多数平和のための青年組織に組織されています。客観的な状勢が平和の可能をもっており、世界の人類がそれを望まない時日本の人だけが未開の国の人のようにまるでそれが地震か何かのように起るだろうか起らないだろうかと心配しているとすれば、それはあんまりみじめなことではありませんか。
世界の婦人が二度とあの無惨な経験をしたくない、平和をこそ欲していることを日本の婦人ははっきり知らなければなりません。自分一人の平和の希望でないことを知らなければなりません。こわいものみたさでそれに気分を引き入れられるような、弱い女の無責任を演じてはならないのです。
特に若い日本の婦人たちは戦争ちょう発という言葉に対してそれは貴女も未亡人にしてみせま
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