いことだと思う。ある女性が詩人であるということと、作家であるということとのちがいをきめるのは、文学の天質のちがいであることは明瞭である。そのように、小説をかく婦人と児童のために書く婦人とは、めいめいの文学の天質のちがいに立っているのであって、程度の高低だの資質の貧富によるのでないということが、はっきりされて来なければならない。
そして、このような成長も、考えてみれば、つづまるところ婦人の文化資質のより高い、より多面な開花にまたなければならないということを、意味ふかく感じる。
底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
1979(昭和54)年7月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第九巻」河出書房
1952(昭和27)年8月発行
初出:不詳
入力:柴田卓治
校正:富田倫生
2003年6月3日作成
青空文庫作成ファイル:
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