ろへ二人の男が来て、そのまま私をその家から連出した。後ひきつづいた一年の留守の間に、その柱時計は、私のいない跡の家をとりかたづけてくれた友達の家の柱にかけられていた。
 本年の一月三十日に、この柱時計をくれた父は没した。
[#地付き]〔一九三七年二月〕



底本:「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社
   1981(昭和56)年3月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
初出:「ペン」
   1937(昭和12)年2月号
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2003年9月15日作成
青空文庫作成ファイル:
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