ことだろうか。
 もとより私は自分の作品が完成したものだとは思っていない。作家としての自身にもとめているところは決してすくなくない。作家と作品への個々のこのみはいろいろだろうが、文化反動とたたかう現実の大局から文学の問題も客観的に語られなければならないときである。民主主義文学の共同の成果をしいてゆがめるようなやりかたは敵を満足させるだけである。[#地付き]〔一九四九年三月〕



底本:「宮本百合子全集 第十三巻」新日本出版社
   1979(昭和54)年11月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十一巻」河出書房
   1952(昭和27)年5月発行
初出:「アカハタ」
   1949(昭和24)年3月9日号
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年4月23日作成
青空文庫作成ファイル:
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