文学を別格に生きて来たものは、出版企業の枠からしばしばあふれ出して、営利性を外から見る立場におかれて来ているから、文学の仕事がじかに民衆とその歴史のものであることを痛感せざるを得ないのである。

 私としては労研のアンケートの最後に、著作組合はいらないかという問いがあったことについて感銘を受けた。暫くして著作家組合の話が出て、誘われたとき、私は、それを日本の作家生活への、よりひろい社会的な新風として感じたのである。[#地付き]〔一九四六年六月〕



底本:「宮本百合子全集 第十六巻」新日本出版社
   1980(昭和55)年6月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十二巻」河出書房
   1952(昭和27)年1月発行
初出:「東京新聞」
   1946(昭和21)年6月8日号
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2003年9月14日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全2ページ中2ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング