な関係があったことがイギリス議会で発見されている。ウォール街の実業家たちと宴会の席上で終始一貫反ユダヤ熱をあげて、プロテスタント機関紙『チャーチマン』に警告されている。また、アメリカ聖教会機関紙『ウイットネス』は、MRAの労資協調論を批評して「美くしい宗教言辞のかげでMRAはなぜ世界最大の財団デュ・ポンの恩寵をうけねばならないのか」と急所をついている。
ジェスチュアでない世界平和と民主的社会の建設のために誠実な努力をつづけている世界のすべての人がMRAの本体を見きわめているこんにち、片山哲氏が大財閥の三井一門とコーでもてなされて「MRAの機動部隊を日本に派遣されたい」と切望しているのは、チルチル、ミチルの旅にしては人民に対する罪がふかすぎる。吉田内閣は、「青い鳥」だの「神霊に感じた民主主義」だのとMRAをかついでうろつくまでもなく、もう怠りなくリ・アーマメント=再武装は実行している。国内に五十万の顎紐をかけた警官と二百万の「消防」、復員軍人、旧戦犯、悪質の「民同」がうようよしていて、「高度武装」たる計画的な犯罪の挑発、捏造事件で人民の民主化を抑圧するために活躍している。
世界の民主
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