銀行からの負債になっていますから、私が万一ふっとんだらその賠償《バイショー》で負債を返し、同時にそちらの生活費も運行してゆくよう計画しなければなりません。
(四)[#「(四)」は縦中横] 東京貯蓄銀行丸の内支店から、タンポで、島田へお送りした額の十倍までゆーづーするようにしてあります。そのうち本年一杯でおそらく三分の二は消費するでしょう。消費した額だけ返済すればよいわけです。私のねだん[#「ねだん」に傍点]はいくらか知らないが、少くともそちらの一年分は余るだろうと思います。
(五)[#「(五)」は縦中横] 返却後は、そちらに現在の凡そ一年分に少し足りないだけの定期収入があるでしょう。(現在の経済の組立てのままと仮定して)
(六)[#「(六)」は縦中横] それだけそちらで入用でない時には、みんな積立てておいて、その後の生活の足場とした方がよさそうに考えられます。島田の方もその時にどんな風かは知れず、たとえどんな仲よい同胞にしろ自分の妻子をかかえ経済的波瀾の激しいとき、共力するにしろ種《タネ》なしでいられては大分僻易らしいから。よい生活のためのプラクティカルな方法として。私の身にしみての実
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