のですね、青銅が、ブロンズ・エイジ風の質にしろ、その質として純粋でなくては、金に混ぜることは出来ないでしょうし。自分だけではなれない青銅が金と合わされて、金をも音にたて自分も鳴るとき、うれしさはいかばかりでしょう。つよく弱く、遠いように近いように、それは鳴ります。小さな鈴をふるようなリンリンというとも鳴りを、松籟の間に響かせて。
 この手紙はこれで終り。その小さい、いい音がそこにも聴えるでしょうか。

 十二月二十五日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕

 十二月二十五日
 いまうちにいるのは子供二人、手伝い、私だけ。寿江子はアパートさがしに出かけ、二人と太郎とは伊豆行です。ことしの暮は、珍しく三十一日までおめにかかれますね、十年ぶりに。
 十六日のあとのお手紙というのは、いまだに着きませんどうしたのかしら。いつも二三日、五日で来るのに。御自分の宛名(住所)おかきになったのではなかったかしら。それでいいようなものの郵便は字面で動くので、却って不便もあるわけです。わたしはきのう南の兵隊さんにハガキ出して、切手がはっていないことを思い出したのは、二時間も経って、そちらで、ぼんや
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