や、私たちの貧乏は分りつつ、ユリ、とお考えになると、何だか福相がかって感じられる、という笑止な滑稽或は習慣があるのではないかしら。どうかして、私は、自分の福相が、そういう由来ではなくて、もうすこしは広い、そして形而上の理由によって、明るく、笑いと確信とを失わないものであるということを、くりかえしなく、明瞭にしたいものです。私のぐるりについてジリとなさると、いつもそれが私に向って出るというのは何だか、しょげるわ。これは真面目よ。その危険のある環境についての、いつも新しい戒心という意味では勿論十分傾聴いたしますけれど。社会事情の急な変化は多くの人々を、金銭について淡泊にするよりも、敏感にさせます。フランス人が、あの度々の政変を経て、金銭に対して敏捷になって来ている伝統は、先日緑郎からの手紙にもうかがわれます、戦時の闇生活がはじまってフランス人の富の奥ゆきの深さが分った由。バルザックをよんでいるから、実に合点出来ました。こちらでも、そういう経験の初年級がはじまっているわけでしょう、私たちの考えかたは、暮しかたは、逆です。フランスでは市民の90[#「90」に「ママ」の注記][#「90」は縦中横
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