いうと、ドイツ・ロマンティシズムの傾向もわかるようです。社会に有用[#「社会に有用」に傍点]になる、ゲーテ式自己完成への反撥として、ね。その俗気への対立として)イギリス文学は、社会で実際人々を支配しているイギリス流の道徳の説明書みたいなもの、(ツワイクは、この点なかなか穿って居ります。ゴールスワージー迄謂わばそうです。だから大戦後はロレンスやジェームス・ジョイスが出たのね)フランス文学は、社会と箇人との勝負を常に主題としている、バルザックにおける如く、と云って居ります。今、なかなか丹念に「幻滅」をよみ終りかけて居りますが、バルザックは、或るスペイン坊主の口をかりて、「フランスには、一貫した論理というものが政府にもなけりゃ個々の人間にもなかった。だから道徳というものがなくなっている。今日では成功ということが、何にもあれすべての行為の最高の理由となっている。外面を美しくせよ。生活の裏面をかくして、一ヵ所非常に華々しいところを出してみせよ」という風なことを云わせています、フランス人の暮しかたの或面がわかり、日本の画家藤田嗣治の一ヵ所押し出したやりかたもうなずけます。でもバルザックもツワイクも
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