うです(自分に、よ)
 さっき太郎が寝ました。この頃この男は軍歌ばかりうたいます。そして航空兵はおしるこが貰えるからいいね、と話します。
 つづいてみんなが国府津から帰って来ました。国男は珍らしく赤い顔して居ります。裏の近藤さんという洋画家が食堂で、ここの隣組は出席率がわるいということについて町会の小言をつたえて居ります。私は何だかどの話も面白くありません。すぐ上って来てしまいました。そしてこれを終りにいたしましょう。
 もと帝大かに来ていたイギリス人が(詩人でしょう)前大戦のときの各国の短篇を集めたものを神近市子が訳し二年程前出ました、「戦線・銃後」という題。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス等。それぞれにその国の人のテムペラメントがわかって面白いばかりでなく、こうして編集されたものが却って大戦の奥ゆきというようなものを綜合して感じさせます。バルビュスの暖い短篇もあります。オイゲン先生の国の作品が、大変理念的なものばかりなのは、これも注目する価値を感じました。その生硬さ、メロドラマティックな筆致においても。今に、かりにこういう篇集があり得たら其はどんな作品を示すでしょうね、昔物語の
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