から。これは何と謙遜な、若々しい、願望そのものにおいて生新な希望でしょう。それを成就させる根気と体力とを与えたまえ。作家としての立場から云えば、卓抜な評論家にとって十分素材となり得るような作品の系列をもつということは一つのよろこびでなければなりません。作家の義務でさえあるでしょう? 愛する評論家を文学の不毛な曠野にさらすことは出来ません。

 十一月一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(電報)〕

 リンパ センハレテユカレヌユリ

 十一月一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(ブーダン筆「海辺」の絵はがき)〕

 十一月一日。三十日のお手紙ありがとう。きょう(月)電報打ちましたがうまく火曜日につくでしょうか。先週ふとん仕事や何かでずっと用事つづきで暮したら、グリップの再燃で、今度はいいあんばいに熱は七度五分でおさまりましたが、リンパ腺がすっかりはれて氷嚢づかりです。あの位一度血液に毒素を吸収してしまうと、更新がむずかしいものと見えます。細菌に抵抗力のよわい血液になったみたいね。今度は大事をとって、今週すっかりチッ居いたします、御免なさい、くりかえしをやったりして。大いにおとな
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