す。

 追伸
 代筆のハガキ頂きました。あなたのところへハガキ出したあとでした。島田へも書きます。これは心づきませんでしたから。アンデルセンの本は、じかにそちらへ送るよう取計らいました。
「三人の巨匠」、終りに近づき。随分面白くテイヌの作家論などへも興味を誘われます。ドストイェフスキーの二重性格を実によく追っていながら、何か意外な軽々しさ、スリップのようにそれをレムブラントの明暗に比べています。何というちがいでしょう! レムブラントの終局の健全さ。ドストイェフスキーの窮局の不健全さ。一方の暖かさ(レンブラント)。一方の非人間さ。

 十月十八日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕

 十月十八日
 十五日には急に代理になってしまって本当に残念でした。おやとお思いになったでしょうと思って。火曜日の夕刻ひどいさむけがしました。おなかが空いたからかと思ったが食後も駄目。これは冷えたのかと入浴してよくあたたまって床に入りました。そしてすこし落付いたら又ゾーゾーなの。さては、面妖と思っていると苦しくなって眠るどころでなく、様子が妙だから体温計を出して計ってみたら八度七分。又三十分した
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