る愛着がどんなに深いかということを語るのに詩人は面白い角度からとらえているのよ。その女のひとは、余り自分の心を奪うその美しいものを、思わず見入る自分の顔を、鏡に見られるのも羞しく感じるというその心持からうたっているのです。わたしの眼差しはそれに牽かれ、珠の深い輝きが瞳に映る。やがてそれはわたしの面にまでもかがようのだけれども、自分にさえそれと心づかれるそのよろこびの空やけを、鏡よそんなに凝っと見ないで。その不思議な羞らいはどうして? そしてどこから来るのだろう、といううたなの。
 単純な言葉の散文詩です。けれどもその調子には実感が流れていました。作者は男なのに、女のこころのこんなまざまざとした、一抹のきれいな雲に似た心の動きをよく捉えたものです。それは一つも嬌態ではないのよ。真率な、さっぱりとした、それでいて、いかにもなよやかな味いです。何だかこれ迄見落していたようで、こういう詩趣のふかさも面白く感じました。あなたはもしかしたらお読みになったとき却って心づいていらしたかもしれないわね。
 この詩の作者は珍らしく天真で、卑俗な羞らいの感情などからは、神々のように自由です。それだけ情感はみ
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