たにも今年は迅かったでしょうか。
ことしは思いがけずひどい病気をなさり、やっとそこを通りぬけになってのお祝日ですから一層心に鮮やかです。何はなくても、菊の花はありますから、どの部屋も菊の芳しい香りを満々とさせましょう。天気がよい日を希います。天気が晴れると菊の匂いはひとしおすがすがしくていい心持ですから。みんなに何か食べて貰いたくてしきりに考えて居りますがどうなるやら。わたしはそういうことのためにまだまだ駈けまわれませんから困るわ。ああちゃんは泰子で一杯ですし。お祝いに、ああちゃんは丈夫な白の木綿ふろしきをくれました。これは全く素晴らしいおくりものよ。シーツになるのよ。わたしがはったとにらんだものだから、その魔力にさそわれて、おくりものに化してしまったの。
わたしはすこし恐縮に感じて居ります。それというのは、どうもわたしがお祝いにあげるよりも、たっぷりまことに心のこもったおくりものを頂いているようで。
美しき異教《ペガン》の歌《ソング》の一節は、わたしの肉体から生れたものではあるけれども。その歌のモティーヴをさずけられたとしたら、作者はやはりその啓示に感謝しないわけにはゆきません
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