記させる作家だと思います。
トルストイの方がわかりやすいということもよくわかりますね。バルザック、スタンダールというような作家はナポレオン時代以後が新たな形で経験される時、文学の世界で大いに学ばしめるところをもつ作家ですね。ドイツ文化史において宗教改革以後の時代、フランス文化においてブリューメル以後は近代を理解する上の重大な鍵でしょう。
この間も書いたように普通の文化史はルネッサンスの起首をよく描くけれども、その後につづく反動の時代の意義について十分知らせないのは何故でしょう。歴史のつかみ方の形式的なせいね。すべて一つの大きい必然の動きが、その動きそのものの裡にリアクションをふくんでいるということ、それをどう力学として処理し得たかということは興味つきぬところであり、人生のキイ・ノートのようです。
わたしなどには、まだまだ迚も端倪すべからず、のテーマですが。何故なら形式的な論理に立つ歴史の描写は、いつも等しい価値や力のように反動の発生を描いて居りますから。反動そのものが、又統一された方向への刺衝となる力をふくんでいるその生きた関係はなかなか描かないから。たとえば旧教に対する新教とい
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