、そこへ本郷からよく通ったものでした。そこが先年から光ヶ丘病院となりました。そこについて曲って一寸行った右側。三井の誰なのか、去年からコレクションを小さい展覧場をこしらえて公開いたします、各土曜の午後。僅か十数点です。その位なら大丈夫だろうと出かけ、久しぶりで心持よく亢奮しました。
 いつかお送りしたモネの色彩的な「断崖」、ヴァン・ダイクの極く小さいもの。(この紙の倍ぐらい)コローの二十号(?)位。ブリューゲルの(冬)黒田清輝の先生であったコランの「草上の女」そのほか数点でした。美術学生が主として来ています。その人たちが近づいたり遠のいたり技法や(色のおきかた、コムポジション)を研究しているのを見ていて、何か私は洋画の伝統というものについて痛切に感じました。これらのクラシックのものは、どれも本物ではありますが、其々の大作家の全スケールからみれば全クフラグメントです。コローにしろ、ブリューゲル、ヴァン・ダイクみんなみんな壁を圧する大作をもっている巨匠で、その大さその精励、努力を土台として、小品もつくっているのです。しかし、こうやって将来されている作品しか見ることの出来ない人達は大家の世界
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