。来年の春島田へ行こうなどと思っていますが、どうなることやら。
スタンダールのナポレオン伝は面白いと思います。スタンダールはナポレオン崇拝で、と云っていますが、決して盲信ではないわ。ナポレオンが学問がなかったために、現象の面しか分らなく、その見かたは上流社会の見かたしかなかったこと、軍を統帥は出来ても、政治的統率力はなかったこと、それは服従すべき者自身に、服従の必然を理解させるどんな考慮をも持ち得なかったことなどをあげていて、なかなか洞察力に富んでいます。スタンダールは、王政復古時代の作家が腑ぬけになった空気の中で、人々がもうナポレオンとは呼ばず、ブナパルト氏と呼ぶ、その卑俗さにムカムカしてあれを書いたのでしょう。スタンダールは一種の硬骨漢です。そして、いつの時代にでも、その時代における硬骨は、人間として理性の判断を自分に向ってごまかさないということにかかっているのは、何と面白いでしょうね。実業之日本社からスタンダールの伝記が出ます。どんなかしら。一つの大きい時代に生きた人を語るには、よくよくその時代の性格がつかまれないとうそね。「赤と黒」の主人公は、卑俗な時代の野心、功名心というも
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