ウの「人と超人」や二葉亭四迷の「平凡」、花袋の「田舎教師」が出て来るだろうと思います。平凡の実質は高まるということについて、ね。
読まれるものの意味と、そういうもののよまれる心理をはっきり描き出すことで、私たちは自分の生きている生きかたを知ることが出来るでしょうから。
親と子とか、友情とか、そういう風に扱って行きたいのよ。性の課題ではトルストイが親方として登場するでしょう、「クロイツェル・ソナータ」。性の扱いかたの偏向、フロイドの或種の亜流や何か、をも見ながら。だからなかなかなのよ。腕を高くまくって肱まで粉につけて、深くよくこねなくてはね。しかし、もしうまくこねて焼ければ、これはそう不味《まず》くはない風味の食物になり得るでしょう。モラルの形でなく、人間の真実としてまともなものを示したいと思います、モラルや風格ならほかのひとがやりますから。恋愛のことについて書くとき私は恋愛小説の存在の意義をも明らかにしたいと思います。所謂真面目な恋愛小説というのはどういう要素に立って云われるべきかということを。「ウェルテル」にしろ真面目だったでしょう、あの時代としては。しかし今日の意味には、通用し
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