はり独自な価値をもちましょう。文学という面で云えば、少し大きく云えば世界文学評みたいなものになるわけだから、そう思うと私はまだまだよみ足りない感がします。
 英雄崇拝ということについて、スタンダールの小説を見のがすことは出来ないわ。ところで私はスタンダールをどうマスターしているでしょうか。大した自信がありようもないわけでね。しかしこういう方法しかないときまれば私はもう腰をすえてかかります。又ケイオーの桑原さんから眼の疲れを守る薬をもらって、せっせとやるわ。この機会に、これまでちりぢりばらばらだった世界文学に、自分なりの一貫した整理が出来れば仕合わせですから。人生への理解のひろさ、ふかさという味だけでなく、人生と文学との見かたが、文学的にやはり何かであるという風にやりたいことね。
 九月はじめのお手紙で、マンネリスムのポーズに陥ることについての戒心がかかれていて、あれは全くのことですが、でも、自分の仕事として本当に自分がアペタイト感じる迄つきつめて行って見ると、とどのつまりはやはり何かの点で、いくらかでも勉強の重ねられたものでなければ満足出来ないから、そこは面白いものね。同時にユリが、器
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