頭もそれなりにきいていて、なかなかいいわ。いろいろのことがないと私なんか時々はフラリと行って見たいようだけれど。さっぱりした気質ね。
富田みやげというせともの入りのわさびの味噌づけというのを頂きました。それと雲丹《うに》の玉というのを。あちらの雲丹は美味しいけれど、あなたは雲丹お好きだったかしら。私知らないわね。私たちの御飯に雲丹なんてあったことなかったことねえ。十月二十日すぎ防空演習が終りますから、そうしたらもう一度あの三人を何とか御せったいして、おじさまをおかえししましょう。六十六ぐらいでいらっしゃるのに、まだわかいのに。年をおとりになっているわねえ。
周子さんは和服より洋服がすっきりしてきれいよ、和服は妙にごてごてにきるもんだから。赤い色(日本風の)が似合わないのに、日本の服は年[#「年」に傍点]で紅さを氾濫させるでしょう、顔が変に重くるしくなってしまうのよ。平凡な服をさっぱりきていてよかったわ。ああいうことでも働いている女のひとには活々したところがあって、大まかのようでいてなかなかつましいのよ。都会の暮しかたをすっかり身につけていて、生活力があるわ。姉さんは、あれはもっとち
前へ
次へ
全471ページ中390ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング