た。
 太郎にとってもきのうは特別な夕方でした。それはね、区役所から、千駄木学校(あすこよ、動坂の家のすぐ裏の)へ入るようにと云って来たから。僕千駄木学校へ行きたいと思ってたから丁度いいやとよろこんで居りました。
 その太郎のために私は近所で木綿の靴下を見つけてやって、一年生の間と二年生との間はもつだけ、ああちゃんに買ってやったのよ。あっこおばちゃんもなかなかでしょう?
 寿江子に云わすと、太郎は何でもこれこれはこういうものという型通りが好きすぎるそうです、でもそれは父さんが全くそれ趣味だから今のところ真似でしょう。今にすこしは変るでしょう、利口は悧口よ。なかなか可愛い息子です。四月十日からですって。近いから心配なくて何よりです。何を祝ってやりましょう、あっこおばちゃんのおじちゃんというお方は何がいいとお思いになること? いずれ御考え下さい。二人でやりましょうよ、ね。太郎はぼんやり覚えて居るのよ、あっこおばちゃんのおじちゃんを。眠くなって九時すぎかえり、そしてたのしい晩を眠った次第です。
 ときどき思いがけないボンボンを見つけたりして話しますが、きのう銀座の方で、私は何とも云えない見事
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