ものですね。親が、子をいつ迄も子供と思うの尤もね。あわれに思う心というものの面白さ。
 ゴッホがこの頃妙な流行で読まれます、「焔と色」という小説を式場が訳して。弟のテオというのがいてね、これは画商の店員をしているのが終生実に兄のためによくしてやっています。こんな弟は本当に珍しい。テオという単純な名が、その気質のよさをあらわしているようです。ゴッホのような個性の極めて強烈であったひと、病故に強烈であったところさえある人の生涯の物語が、今日の日本の人々によまれるというところもなかなか心理的に意味ふかいわけですね。個性というものを人間は失えないものだ、ということの証左です。
「女性の現実」の中の数字のこと。私あれをいろいろなもので見たのでしたのに間違えたのねえ。しかし、女の働くひとの総数はその位のようですよ。月給もそれは新聞の日銀統計で出たのでした。平均というのは、工業の熟練工で一番とるのが平均三百何円で、女の最高の平均が百何十円というのなのですが、そのことが分らないように書けていたでしょうか。最高でさえ男の半分しかとれない、ということをかきたかったのでした。
『ダイヤモンド』ありがとう。と
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