も昼間は大分暑うございましたが、風は秋ね。秋が待たれます。十分夏らしくないくせに体にこたえた夏でしたから。
お愛さんという娘はこういう娘としてはましの部よ。いろいろまめにいたします。ひねくれていません。月曜日にはお愛さんをつれて林町へ行って、泊って、寿江の荷造り手つだいます。
八月十三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
八月十三日 第三十五信
お手紙けさ、ありがとう。本当に今年の天気はどうでしょう。私も汗の出ないのには今のようなのが楽ですが、でも心配ね。こんなひどい湿気は決してあなたのお体にもよくはないでしょう。つゆ時と同じですもの。
きのうは、夕方八重洲ビルへ行って、国男と寿江子と紀とで夕飯をたべました。国さんの誕生日でした。天気があやしいので雨傘をもって、無帽でバス待っているところを眺めたら憫然を感じました。髪の白いのはかまわないが、ふけたこと。あなたなんかどんなに見違えになるでしょうね。私の弟だと思うひとはないのも無理ないと思います。余りひどく呑んだりすると、あんなに早く年とるのかしら。衰えているというのではないのよ。精悍なのですが、輝き出しているものが
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