あいうところというのは。野原の横へ出て見れば、全く截りひらき、平らにし、建てかけているという赫土の地肌が到るところにむき出しで、新開の気分充満。その気分が軒並の小店となって村道にあふれている次第です。
野原の家のとなりの材木屋があの二階つきの翼を買ったのねえ。いつか行ったとき何心なく下駄ばきで上って行って見たところ。あすこがあなたの部屋だったのですってね。材木屋の小さい六つと五つの女の子が一昨日の祭日には、きれいな着物を着てあの二階に遊んで居ました。涼しそうな二階ねえ。今時分ここにいたのは初めてですから。
私は大分グラついて、本当に何とかしてこっちで仕事しようかと考えましたが、何だかそれもいろいろ無理だし、第一、八月という月一杯、東京にいないという気にもなれず。本屋のこと考えると余りのびていて身がちぢまる思いですが、仕方がないわ、やっぱり東京でやることにいたしましょう。
あなたの眼はいかがでしょう。トラホームの本つきましたろうか。私は大体変りなし。大体という勿体のつけかたは、何となし腸の工合が上々でないというだけです。何しろ大水の出たあとの井戸の水をのんでいるのですからね、いくら
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