の顔や頭のようなつやはついて来ていますが、独断と単純な――歴史性のない人間万歳にみちています。それでも、ああいう風に単純に人間[#「人間」に傍点]に立ってものをいうひとは少くなっているので、やはり何かの魅力なのよ。明るさのレベルは、彼が講談社から本を出して平気なような、そういうところからも出ていて。
新書の『人生論』なんかみると、恋愛と結婚のことなんか古い古い考えです。恋愛が結婚の中で消えてしまうのが当然という風に云っている。これで、彼の女性とのいきさつのルーズさも分るでしょう。そう考えているのだわ、ですから結婚の外に恋愛したりして、そっちはそれでズルズルに分れたりしてしまうのね。
本当のオプティミズムが身につくためには、大した勉強や砕身がいるのですもの。武者さんはそれとは反対のひとだわ。持ちものだけで満足しているひとです。自分のもちものを、客観して疑うということのない、その故の明るさです。持たないものについてはあきらめている、大した東洋人よ、その点でも。それに第一ああいう風な羅漢《らかん》さん的完成そのものが古い東洋です。おびんずるだもの、撫でられぱなしだもの。(おびんずる、って
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