覚があります。引きしおに全身がまきこまれるところという感じかた、ほんとうに溌溂と語られていて。そういう瞬間、子供たちは我知らず叫ぶでしょう? 叫ばないでいるというのはむつかしいわ。面白さ、うれしさ、いい心持、こわさ、みんな一どきですものね。
「波乗り」につれて思い出します、あなたがいつかお話しになったこと、覚えていらっしゃる? 波のりをして、のうのうとしてゆるい波に仰向いて体を浮かせたまま、いつの間にか眠っていらした話。夏の日はキラキラとしていて、何と横溢的だろうと忘られない印象よ。
海にあなたは本当に馴れていらっしゃるのね、荒[#「荒」に「ママ」の注記]しもなぎもよく知っていらっしゃるのね。波の底の地図も。海底のいろいろな様子で、潮がどんなに変ってゆくかということも。あああなたは、よろこばしい魚のように身をおどらしてそこにもぐっていらっしゃるのね、それから波と体とをやさしく調和させながら、高く低く、迅くおそくと力泳して、すこしつかれたときはじっと浮んで、いつか又波のうねりに誘われて泳ぎはじめ。
飽きることのない夏の日がそこにあるのです。
海にもおよがれるよろこびというものはある
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