るらしいのよ。人徳があるらしいの。えらいでしょう? ごくあたりまえの人の心もちというものはそういうようなところから動かされてゆくものであるという例ね。
周ちゃん、てっちゃんのお父さんの若かりし日を思い出し、この十年の複雑であったことを考えます、ときょう手紙をよこしました。そんなにおっちゃんに見えたんでしょうか。しきりに感服していました。そして虹ヶ浜のとききれいな方がいて、背中のあいた海水着着ていてうしろにまわっては見たと大笑いしていたわ。その人はお嫁に行きました、てっちゃんがそう云ったら、しばらくして田舎のものは男のひとと女のひとといると、すぐ結婚でもなさるものと思うて、と云ったら、いや結婚していたんですが、と云い、周ちゃんのそのときの顔つきに私は好意をもちました。そういう点ではすれていないのね。こういう環境って在るでしょう、娘二人いて、そういう職業で下らない奴等がうるさくて、それに対抗してゆくためにお上品ではやって行かれなくてヤガル言葉もつかうという風な。そんなところがあるのよ、ね。男と遊ぶ遊ぶっていうけれど、遊ばなけりゃお金にならないし、(女優のこと)そういう表現もつかいます。随
前へ
次へ
全471ページ中153ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング