いわねえ。いろいろと計量して考えているのは、つまりは私の俗的賢明さであるのでしょうか。常識のみとおしにすぎなくて、この抵抗が私のより生粋な作家らしさ、愛《め》づべき魂ではないのかしら。
 もうすっかりきまったことに自分でもしていて、気がつくと抵抗が生じています。本当に何かこのことのなかには無視してはいけないものが在るのではないでしょうか。
 六日に五日づけのお手紙。ありがとう。
 隆ちゃんやっぱり代筆? 変ね。私のところへも代[#「代」に傍点]筆で来ましたので、早速手紙出しました。手紙はその人の字を見るからこそ心が安まるのだから、ハガキなり自分でかいてよこしなさい、と。あなたの方へそういうのをあげたら心配なさるでしょう、と云ってやったら、やっぱり来ていたの? 病気でしょうか。私はこんなに思ったの。姉上様なんてかいてるのを見て、オイ姉上か俺にかかせろよ、なんていうのかと思ったのに。すこし心配ね。両方では。
 それから、ダラダララインのこと。いくら私が傑作と称讚しても余り私を築城術の大家になさらないでね。マジノだってそう丈夫じゃなかったのよ、と云った本人は、だからダラダララインだって破れる
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