も水はのまないけれど。チフスの予防注射の安心が思いがけないところで役に立って居ります。
達ちゃんの盲腸は、その後一向音信なし。音信外出なしというのがこの頃の原則らしくてね。きょう、Tが広島へ部分品を買いにゆくついでに何とかして様子をきいて来るとのことです。友ちゃんもきのう届いた机で達ちゃんへの速達のかきぞめをいたしました。どうせ東京へかえるなら、達ちゃんにもう一遍あえるならあって、そしてかえりたいと思って。徳山仕立の急行でかえります。
その後お母さんお元気です。友ちゃんもやつれすこし恢復しました。達ちゃんは修理の方の由です。修理の一番こわいのは、前進してゆく後から故障車を収容してゆくときだって。さもありなん、ね。でも対手が人でなくて車だから気持はいざとなればちがいましょう。
こんどは達ちゃんもおかみさん子供もあっての出征で、万々ガ一、どんなことがあるかもしれないから、分家戸主の届けをしようと云っていらっしゃり、それはいいでしょう。友ちゃんや輝が、それで直接の関係が明瞭になりますから。
あの町の一部は、徳山の一番にぎやかな通り、駅から出て丁の字に大通りにつき当るでしょう、あすこのどこかね。
このあたりには、むずかしい名の山や河や池があること。たとえば室積で机買ううちをセイキ、セイキというのよ。どうかくのかまるで見当つかず。清木ですってね。このお手紙の小山の名、何とよむの? 岐山きやま?
寮歌はやはり昔ながらでしょう、その昔ながらというところに一つのセンチメンタルなよさがあるのではないの? 高校と云えば松山ゆきも実現いたしませんね。柳井から高浜までたった四時間半ぐらいなのにねえ。まあ、又のおたのしみにしておきましょう。かえりに倉敷で一寸おりて大原コレクションを見ようかと思いましたが、これまた汽車のつづきがわるくて、あのあたりで急行にのりついだりしたら、立って東京迄かえらなければならないでしょう。これも亦いずれのおたのしみ。
『週報』のこと。あの電話の模様だとね、ちぢみのシャツ、ズボンの無精髭を生やした五十すぎのだらしのない男が、三四人人をつかって、妙な机並べてやっている、そういう感じよ。ごろつきくずれの昨今仕事めいていた、いかにも近代事務性に欠けて居る感じでした。きっと寿江子が電話口でかんしゃくおこして汗をふくことでしょう、名前さえその親方[#「親方」に傍点
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