、そして夕方友ちゃんをのせてから市へ行けばいいと云っていて、そのつもりにしていたの。そしたら急に河村さんと同心せて、ということになって、そのために達ちゃんあっせんしてやって、つまりは福屋にいたのですって。何だか気の毒でした。でもそれでいいのかもしれないわ。達ちゃんは輝の着物を買ってやって友ちゃんもって来ました。これが好きと云ったというその布には、まるで輝のような顔の人形がついているの。
 よかった、すっかりそろえて行ってよかった、と友ちゃん安心していました。河村さんは会えないから顔つきが夫婦ともかわっていました。
 輝は、二日うんちをしなかったので、ゆうべは、おかあさんがルスリンかんちょうをして、うんちを出して、ねかせました。
 お母さんにけさのあなたのお手紙をよんでおきかせしました。ほんにのうと云っていらしたけれど、血圧を計ることは笑っていらしたわ。本当にお気丈で、けさも六時から自動車の運転手が来たのに応待してやっていらっしゃいます。
 友ちゃんもすこしやつれているが元気にしています。お姉さんの文ちゃんというのもまだいます。手伝に来ていたフジヤマのばあさんはきょうどろ落しでかえります(この表現覚えていらっしゃる? 苗をうえ終って、お百姓の骨休め)。そして、お母さんは多賀さんへおまいりです、きょうは多賀さんのおまつりよ。うちではおすしをこしらえるのよ。
 きょう八時達ちゃん入隊したわけです。隆ちゃんからハガキ来。体重は六十九キロの由。十八貫を越しているわけよ。「大きい男になってじゃろ」本当にそうでしょう。そして、達ちゃんの話では、この頃は本部づきらしいとのことです、そうすればいくらか危険も少いわけです。
 封緘のこと、出る前の日に送りました。
 物のことは、前便にかきましたとおり。
 島田川もこのお手紙の思い出はあどけない子供の永い夏の日が蝉の声と一緒に思いやられます。
 麻里布ってそういうところなの? この頃はどんなでしょうね。何だか行ってみたいこと。一二度汽車の乗りかえでおりただけです。
 光井の方へは、これから。あの道普請は終って、すっかりきれいになった由。海へなんか、もう光井のところからは近よれないのよ。虹ヶ浜という駅の名は、光《ひかり》となっていました。浜の様子は虹ヶ浜のあたりは大してちがいもないらしい様に見えました。住宅払底なのをかんわするために、各戸で
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