も出来ることではありませんが。奥さんは割合普通の気質のひとなのね。ふりかえってもくれない人のあとから自分だけついてゆく、ゆかねばならない、そういうのがやり切れなくなっているのよ。ふりかえりなんかすることはいらない、という素振りのひとにしろ、心は勿論かかわっているのですが、それをまともに生活として表現もしないし生かさないのね。気の毒です。ただ、やって行けないことが他に人的関係でもあってのことと思われたりしては事実そうでないのに互の不幸だから、そうでないことや何かこまごま分り合いたいのにとりつく何もない由。云うことはきまっている(自分として)、だからよく考えて来い、もうかえれ、ではやはり涙こぼれるのね。人と人とのことは本当に複雑だし、生きているし。
 これは、タイプライタアの用紙を書簡箋に刷ったものらしくて紙はにじみませんけれど重いらしいわ。もう六枚で、一枚では行かないかもしれないことよ。
 今夜からお恭ちゃんの春休み終って只今外出中。おけいこよ。私は一人。夕飯たべて、それから一休みのところをこうやって書いて居ります。
 きょうも一寸おはなしした分割のプラン一寸一人相談して見て、すこし研究してそれで駄目そうだったらやっぱりきめてあったようにいたしましょう。
 それはこのお手紙にあるとおり、心持のもちかた次第というところはそうですが。私の望ましいのは、もっと私の日常があたりまえの大人や子供の日常に平凡に入ってゆくことであって、たとえば周ちゃんにしろ、ここならあんなに安心して横坐りしてコンパクト出しておしろい鼻の頭へ叩きつけたりしているけれど、あっちでは全然ちがってしまいますしね。人がそういう風にちがってしまうのよ、それが、私の心持のもちかたにかかわりなくあらわれるのよ、私はそれが余りまざまざでいやなのですね。
 何しろしかし、私のこの間の算術の示したサムはいかにもチビですからね。余程うまくゆく条件でなくては無理です。邦文タイピスト級とは大笑いね。同時にまことに厳粛な事実です。
 寿江子の体、大してわるいのでもないでしょうが、今時候がよくなくて、私なんかもひどい御疲労よ。あれやこれやで。そして、そうつかれると薬が欲しいでしょう? そして、薬かわきになったり多忙をきわめます。
 タイピスト級の宿題と薬補給のねがいとの間をあっちこっちして相当眠るのがおくれてしまうと云ったら、バ
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