そちらでは、お正月のお菓子いかが? こちらは甘味ぬきかもしれません。中村やは「午前八時にヨーカンを売リマス」ですって。私は大変くいしん棒ですが、どうもお菓子のために朝からかけまわる勇気はありません。お正月の東京と鮭とはつきものなのに、今年は鮭もないのよ。うちは組合でうまくなさそうな鮭買いましたが。ミカンはあるの。リンゴと。お互に似たようなものでしょう? そして、私は女房心で心痛しているのよ、シャボンはどうなるのだろうと思って。あなたの夏はせめてアセのおちるシャボン、泡の立つシャボンあげたいと思って。
五六年ばかり前、上落合の時分、百円とすこしで暮していました。不思議のようね。今の物の高さ。家賃が今のままで本当に助ります。この頃はよくよくのことでなければ円タクにのりませんから。五割ましよ。一円メーターに出ると .50 足すのよ、林町迄 .80 だったのが 1.20 ね。ですもの。のりません。
林町の連中も一家|眷族《けんぞく》で市電よ。これは私は大賛成です。特に太郎が大馬鹿三太郎と改名しないために、大賛成です。来年小学校。これも近所の小学に入ることになります。これもよろしい、と思います。省線はこの頃一種荒い人気でね。私はいつも迚もおとなしく隅に立ちます。従来市外にひっそくしていた狂犬属が、時候の加減で真中へ出入りをしはじめたことからでしょうね。お正月の三※[#濁点付き小書き片仮名カ、21巻−232−12]日はじっと家居いたします。きょうその小さい女の子が茶色の鼻の頭の黒い小熊をくれました。大変可愛い小熊です。お恭ちゃんがスウィートピイをさしておいてくれました。なかなか皆其々でしょう? マア、もう一杯よ、何て小さい紙でしょう! 書くにつれてちぢむのよ、いやね。では本当におしまい。
十二月二十七日朝 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書 速達)〕
十二月二十七日
これは請求書だけの分です。
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六月分 逸見上申書 六〇枚 四通 三・一八
〃 同 四九六枚 二通 二七・二八
七月分 木俣鈴子上申 二通
一四・八五
公・調 四通
九月分 宮本顕治 公期日変更願その他 二通 一一・九九
ほかに、七月十六日づけ請求で、その中重複している分をさしひいて。
木島
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