然です。儲る著者が石川達三ピカ一という現状は輪に輪をかけます。そして文化は益※[#二の字点、1−2−22]ダラクいたします。しかも国は重大時局に面しているというわけです。
このような来年の展望にあって、しかもやっぱり私はうれしさを感じるとしたら、文学の面白さ、歴史の面白さに所以するしかないわけでしょう。こういう時期に、勉強の価値がどんなにいきるのかということこそ面白いと思います。
ワンワがあんぱんにつられるように、書けるものを追って顎を出してゆけば、どういうことになるでしょう。面白さ、勉強の面白さは、書けるものにかくべきことを見出してゆく力ですから。
この暮は、島田のおせいぼなんかみんなすませたので気が大分楽です。あとは例のふたところと、眼のおいしゃだけよ。多賀ちゃんが世話になっていたお医者様二人にもちゃんとお礼いたしましたし。
あすこの家は時代に一番わるくさらされて居りますね。だから多賀ちゃんにしろ、ぐじぐじした生活態度にすぐなって。
二十五円で本屋をやる人に店の右側の一区切りを貸す話、きっとかえりぎわにあったのでしょう。履歴書出さないでいいのかと云ってもいいと云っていた、何故かしらと思いましたが。
結果からちっとも生活を真に向上させる方向を示さないから、やっぱり総体の私に与える印象では、何だか張り合いぬけのした、なあーんだという感じで、よくありませんね。手紙にでも、こうして私の月給だけ入ると思うと勤めも辛いと思う気が出て、と正直に云ってよこすなら助るけれど、只「つとめもどうしようかと考えています」っきりでね。私は勤めれば、と思って着物だって身のまわりのものだって随分無理してもたせてやっているのに。だから、ひとを利用すると云われるのね。島田のおかあさんがおおこりになるところもわかります。一人の娘が境遇から与えられてゆくよさ、わるさ、何と複雑でしょう。
でも、あなたは余り勤めをおすすめにならない方がいいわ。体が丈夫でなくて、タイプに通ったってよくへばって臥《ね》てばかりいたのだから。体をわるくしたりするといけませんから。生活態度は何も形で勤める、勤めないのことではないのだから。勤めないなら勤めないということの中にある態度なのだから。あの子は頭に早いところがあるから、逆に目前の適応性がつよくてそのときの空気や話にアダプトするのね。何だか裏の地べたを隆ちゃ
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