した。経営単位として何故一台一口とするかということを、よくわかるように、古くたって新しくったって一台は一台分の稼ぎをすることよくかきました。
そして、お母さんには、まことにいい柄の羽織を見つけたので裏も気張ったのをつけ、紐も見つくろってお送りいたしました。友ちゃんがきっと縫うでしょう。本当にしゃれた奇麗なの。傑作の部です。お母さんはああいう御気象ですから、割合いきめなのがお似合いになるのよ、面白いでしょう? 決してもっさりしたのがよくはないのよ。ですから、いつも私の見立てはヒットです。
その点あなたもそうなの御存知? 人の気質のなかにあるリズムや線は面白いことね。画家は私をなかなか描けないと申します。全体の印象は非常に鮮明なのに、さて描写してゆくとなると、太いようで繊細で、大きいようで小さくて、それらが交錯してつくり出している感銘はいかにも捉えにくいのだって。
それで思えらく、その人は(松山さん)人の印象の構成を静的にとらえようとしているのね。こんど話してあげようと、今かきながら思います。私はきっと非常に動的なのでしょう。顔立ちというような固定したもので、顔の全印象は出来ていないのね。生きているものをつかまなくては駄目だわ。それを松山さんは静的な線で辿るから何だか似ないもの、いのちのないものをかくのですね。これは大きい発見です。私のためにではなく、松山さんのために。松山さんにもう一つ、高山の本の装幀をたのみます。それは大根畑をかくのよ。いいでしょう? そのことまだお話ししませんでしたろう?『明日への精神』はああいうので私らしい溢れるたっぷりさがないから、高山のは大根畑の土の黒々としたゆたかさ、葉っぱの青々とした大きいひろがり、ひょいと一本ぬけ上って生えているのがあったりして、冬の大根畑は日本の豊かさのようです。それをかきたいの。只、色の工合でどんなになるか、スケッチ風のところに濃い色をさっぱりとつけるという風なのもいいということになりました。只私は赤い色が好きなのに、大根に赤いところないから唐辛子でもくっつけたいけれど、大根畑に唐辛子はないのでね、閉口中です。大根一本、唐辛子を添えて、とまるでお香のものを漬ける前のようなのもこまりますし。
ところで、病気の人というのは何と敏感なのでしょう。竹内てるよという詩をかく女のひとは永年病気なのですが、私の本をよんで、
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