四通
     (七)[#「(七)」は縦中横]蔵原        二通
     (八)[#「(八)」は縦中横]林鐘年       四通
  証拠物写[#「証拠物写」は罫囲み]
     (一)[#「(一)」は縦中横]『赤旗』一二三号、一三九号 五通
     (二)[#「(二)」は縦中横]佐野鍋山除名の『赤旗』号外 五通
     (三)[#「(三)」は縦中横]昭和九年一月二日西山個人署名論文
     (四)[#「(四)」は縦中横]スパイ最高処分ヲ強調セルモノ 五通
     (五)[#「(五)」は縦中横]三十二年テーゼ 三通
     (六)[#「(六)」は縦中横]兵役法違反 二通
     (七)[#「(七)」は縦中横]『赤旗』一三三号百七十号 清党ニ付テ
                     命令ニ付テ 複写
                     鉄の規律
     (八)[#「(八)」は縦中横]袴田里見上申書
              以上
 これは書類をお送りするとの話でしたが一先ず。
 森長さんへも書類を送っておきました。
 それから本は四冊お送りしました。
   a『医学的心理学』
   b『精神鑑定例』三宅鉱一
   c『ヒステリーに就いて』
   d『性格学』
 それから毛足袋と。
 クレッチメルという人の学説が土台のようなものですね。高良氏の『性格学』にしろ。この人は夫妻とも知っています。九州の出身の人ですが。
『書斎』と『読書界』もうじき届くと思います。
 島田と多賀ちゃんにはおっしゃったように手紙出しました。どんな工合に決着しますかしらね。Kにも手紙をかき、島田に働く気の有無をきき合わせました。これもどんな返事をよこすかしら。
 達ちゃん、隆ちゃんには二三日のうちに袋を送ります。隆ちゃんにはあの本(『戦場より故郷へ』)入れましょう。
 お母さんには何がいいかしらと目下大いに頭をひねって居ます。何かマアとお思いになるものをあげたいことね。いろいろちょいちょいしたもの揃っているので、思いつけるのがむずかしい。まだいい知慧が浮びません。この折から、これはとお思いになるもの何かないかしら、もしいいお気付があったら教えて頂戴。毛糸でこしらえた下着類も、もう純毛なんかないし。本当に何かいい思いつきをしたいこと。お母さんは毛皮の胴着、羽毛の肩ぶとん、そんなものも先にお送りしてあるし。
 うちでは多分この火曜日から五日ぐらい、私が林町へ行って図書館通いして、壺井さんの妹が目の治療をさせている小さい娘と息子をつれてここに暮すことになりそうです。栄さん百枚以上の小説かいて、その稿料で小さい女の子の目の見えるようになる治療してやるつもりでいたら、紙の統制で、『新潮』は百枚以上の小説をのせられなくなったので、急に困りました。しかし『中公』の二月新人号に三十枚かくのがある。それを年内にすまして医療費にしたい、それをかくのに子供二人ワッシャワッシャでは迚もだめ。では、私が一つ動いて騒ぎ組をうつして(医者にもここからなら歩けるのですって)その間に栄さん完成して、ということに相談した次第です。お金ですけるということは、どっち向いても不可能だから。
 木炭のことお手紙できいて下すってありがとう。あれはね、いいあんばいに今夜四俵鳥取の佐々木さんというひとが故郷からのをわけてくれたところへ、佐藤さんが来て、おばアさん、炭がなくなって大さわぎというので一俵かついでゆき、三俵のこり。これがつづいているうちには又何とかなりましょう。炭やは半俵一円五十銭で売ったりしている由。うちの炭は二円二十銭です。二円八十銭がザラです。三円五十銭というのがある。それで十日間ですから。もとは一円二三十銭の品よりわるいので、そうです。醤油もビンと引かえでないとないというわけで、やはり工夫がいるというわけです。
 なかなか珍しい家政状態です。紙の制限で雑誌の原稿はいずれも縮少でしょうし、出版一般がどうなるか。長田秀雄の長い戯曲へ稿料つけて『新潮』はかえした由。作家の心持は、稿料がついて来たからマアいいと云うだけでないから。なかなかいろいろでしょう。
 ああ、それから前の(十一月二十八日づけ)お手紙の山口さんのお礼のこと、よくわかりましたから、ちゃんととり計らいます。今明夜、寿江子が泊ってくれます。大いにたすかります。とりあえず用事だけを。かぜをおひきにならないよう、呉々願います。インフルエンザがはやりはじめましたから。ではね。

 十二月十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

 十二月十日 午後一時半  第一一二信
 ああ、ありがとうね、本当にうれしかった。けさは、八日の〆切りという『科学知識』への「婦人と文化創造」というものをかきか
前へ 次へ
全192ページ中180ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング