の誕生日。でもクリスマスに併合するのだそうです。私は一月二十三日のおくりものとして、今から『魯迅全集』と『秋声全集』とをお約束ねがいます。いいでしょう? 栄さん夫妻があなたに十円までのおくりものがしたいのですって。インバネスを着せて貰って大いに助っているから。何がいいかお考え下さい。おめにかかって云おうと楽しみにしていたのですから。何がいいかしら。何か欲しいと思っていらっしゃる字典でもあったら。手紙下さるでしょう? 呉々お大切に、熱をくっつけてはいやよ、お願いいたします、たくさんの good wishes を。(毎日毎日出しては、という意味)
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[自注31]デンポウ――顕治は病気のため公判廷に出廷中止した。裁判所は無理に出廷させようとし、拘置所はその旨をうけて、顕治を病人として病舎におくることを拒絶しはじめ、病舎で面会を禁止した。
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十二月十三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十二月十三日 第一一三信
きのうからすっかり寒くなりました。いかが? 熱はどんな工合になりましたろう。それから脈も。お元気でしょう?
きのう栗林さんが打った電報御落手のことと存じます。
用事だけ先ず申しますが、本月と一月一杯、ちょ[#「ょ」に「ママ」の注記]/\出るとか出ないとか云うことはないようになりましょう。一月以後のことはまだはっきりは云えないようですが。それでも十二月半月とまる一ヵ月ずっと落付いて安静にしていらっしゃれたら、随分ましなわけでしょう。十六日はとりやめ、勿論それはデンポーでおわかりですね。きのうは栗林・森長氏と三人で落ち合い、この間の記録のうつしのことで、森長さんの控えとはちがう分というのをはっきりしましたからかきます、もっとも森長さんが手紙を出すと云っておりましたが。あとの分、まだすまない分の方ですが、あの書き出しの中で落ちているのが、
一、林鐘年最終訊問調書
一、宮本記録中鑑定書前半
一、逸見上申書
※[#チェックマーク、1−7−91]一、秋笹上申書(これは、これから出るものの由。何通入用かと)
それから、
※[#チェックマーク、1−7−91]一、証拠物中、号外第四面全部というのは、即ち佐野、鍋山除名に関する分と同一のものでしょうか、そこが不分明だということでした。
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