ェ日に出る由です。

 十二月十二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

 十二月十二日
 エキホスがきいて胸の気持が楽になり、きょうは例の五時すぎに七度三分。喉も大分ましです。変な声を出して耳の中へ自分の声が響いてこまりますが。寿江子それでもきょうお目にかかりに行って。たまには私がかぜをひくのもよいかもしれない、彼女のために。大変丈夫らしく見えていらっしゃるとさち子さんも云い、寿江子も云い、栄さんも云ったから、本当なのでしょう。うれしいこと。私は毎日よくばった気持で見ているし、細君と友達とではそちらの気分も又おのずからお違いになろうし、私にはなかなかまだよくばった望みがありますが。
 明日も行けない。繁治さんが時間のくり合わせをつけて何とかして行きたいと、先日から云ってくれて居りますから、誰も別の補充は立てず。但、用事を手紙で申します。
 弁護士のこと。別に二人の人がわかりました。一人は小沢茂氏。この人は初め栗林氏と共についていて、後ことわられた人。理由はやはり同一の由です。明治大学出? か何かの若い人。私に西巣鴨で会ったことがあるという話の由。私は、ではあの人だったかと背の高い若い人が思い浮ぶ範囲です。話らしい話はしたことなし。ことわられたからそれきりになっているが、やる気はあるのだそうです。一般的に云って。
 森長英三郎氏。年や学校についてはわかりません。昔武麟や立信がお金のことで立ったとき、扱った人の由。近くは大森の人の御主人の関係でもう終ってかえっている女の人の事件を扱ったそうです。女の人というのは誰のことであるか不明です。もし大森のひとであれば自分で知って居り、又思い出すでしょうから。この人は音羽に住んでいる由です。
 どうかお考えおき下さい。大森のひとの経費は、大阪につとめている弟さんが支払うことになって居る由です。
 風邪になってしまったので、どちらにもまだ手紙はかいて居りませんから。それも御承知下さい。私は今度は木曜日には行きたいとプランを立てて居りますから。
 寿江子の伺って来た本のこと、わかりました。私も興味もって居りました。しらべましょう。文芸附録も『ロンドン』より『ニューヨーク・タイムス』にしようかと考えて居ります。利用する価値は『ニューヨーク』の方があると考えられますから。アメリカは国際翻訳協定に入っていませんし。
 いかにもかぜ
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