ゆくつもりです。大変たのしみであるし、きっとあなたによろこんでいただけるものがかけそうです。丁度お産をする母が肉体的に出産を予感するようなもので、私の内部的カラクリは丁度もう作品をかくとき、或ゆとりと或客観力と経験の蓄積をもって来ている。この感じは、何と説明しましょう。実に何か内部的な一つの世界の前に扉があきかかっているのを見ているような、独得の感じです。へとへとにならず着実にやってゆきます。少し力をこめた作品をかく心持は本当に自分が生むもので又同時にうまれるもののような快い苦痛がある。只今は構成です。一月にはほんの六七十枚ですが、コンポジションは全篇の大体をこしらえておく必要があるので。
 本を(医療の)そちらで買って下すったのは結構でした。お金がもうあんまりおありにならないでしょうね。でも来月までは辛棒《しんぼう》していただかねばなりません。島田の河村さんの御夫婦には一寸往来でアイサツしたきりでよく存じませんが、お父さんが朝のうち行っていらっしゃるなんて、何といい光景でしょう。そして、お父さんは東京から来た坐椅子だとか何だとか、たのしんで自慢したり、又心配したりしていらっしゃるのでしょうね。目に見えるようです。河村さんにも、この暮には何かお送りしましょう。
 国男の体のことよろしくお礼を云ってくれとのことです。例によって筆不精ですからね。五日に退院し、まだ家にブラブラしている。国府津へでも行こうかなど云っている。盲腸は普通の三倍の大さがあった由。又、とったあとから生えるかもしれぬ由。そういう体質があるのですって。咲枝は疲れが出て、背中をいたがり、おふろのとき、私がサロメチールを背中じゅうにフーフーいってぬってやります。太郎はこの頃はダッチャン(父さん)、アアチャン、オバチャン、みんないるので大満悦です。かぜもひかず、くるくるして片言を云っている。汽車の絵をかかせるのですが、何故だか、チッチャポッポが大好きです。スエ子は盲腸がどうやらおさまり。鵠沼の方にさむしくないところを一部屋かりて、当分暮すでしょう。この家も一月末にはとりこわしがはじまりますから。私は十二月中旬に引越しの予定です。年の暮は、私たちの家でお客をよんでやります。私は私たちの家なしでは暮せぬ。来年はうんと能率的でしょう、それがたのしみ。
 昨日御注文のアンダアシャツ早速はからいます。毛糸の寒中用のも
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